当院での診療が困難なケースにつきまして、下記にまとめました。初診をご予約される前にご一読ください。
① 精神症状の程度がやや強い方、あるいは入院治療や多くのマンパワーを必要とする可能性のある方
以下のような方は、多くのマンパワー(医療スタッフ)や入院治療を必要とすることが多いため、初診の時点で大きな規模の病院の受診をご検討ください。
- 死にたい気持ちや焦燥感(気持ちのあせり・落ち着かなさ)が強い方。
- 自傷行為・過量服薬などの危険な行動が目立つ方 。
- 幻覚や妄想、興奮状態が激しく、警察が介入するなど行動の破綻している方。
- 治療の必要性の理解ができない方。あるいは診察や治療に協力的でない/拒否している場合。
- 精神状態のため、救急受診を繰り返している方 (緊急的な対応や頻回の電話対応などが必要な方)。
- アルコールや薬物など、嗜癖・依存の問題が大きい方。
- 食事がほとんど取れず低栄養状態の程度が強い方、あるいは過食などの食行動異常の程度が強い方。
初診のご相談の時点で (あるいは定期通院中でも)、当クリニックにて対応困難と判断した場合は、診察が困難であることをお伝えすることがございます。
当院は医師1名体制のクリニックであり、外来診療にて対応困難な精神状態があります。相談可能な看護師やケースワーカー、心理士等も在籍しておりません。受付職員も時々、1名のみの日があり、電話や受付対応が困難な日があります。受付職員は医療的な相談はできません。
また、初診のご相談の時点で、症状や他院への治療歴について明らかな虚偽の申告をなされ、予約を入れる方がおられます。その場合も、治療において必要な信頼関係を構築できないため診察困難とお伝えしております。
病床のある病院に通院中の方は、転院希望の場合も同じく病床のある病院への転院をお勧めいたします。不調時に入院治療を引き受けていただける病院がきわめて限られており、緊急入院を希望されてもご紹介が難しい場合が多々ございます。
遠方から来院される患者さんもおられますが、かかりつけ医への治療継続性という観点から、まずはお住まいにお近くの心療内科・精神科にご相談ください。
② 継続的に長時間 (15分以上) の診察をご希望の方
1日内に診察可能な人数の問題から、再診の患者さんにつきましては、15分以上など長時間の診察はできません。
長時間の診察を希望される場合、保険診療の性質から一般の精神科のクリニックや病院では医師の診察と並行し心理士によるカウンセリングが行われることが一般的ですが、当院では心理カウンセリングを行っていないためそのような対応ができません。
原則、ご本人お1人で診察可能な方に受診していただいております。患者さんと同席を希望される方(ご家族や行政・施設の方)もいらっしゃいますが、下記⑨の理由もあり、診察室への入室は患者さん本人のみとさせていただきます。
どうしても同席を希望される場合も、患者さんおひとりにつき、患者さんやご家族、同意を得た同伴の方など併せまして、10分以内の診察時間にてお願いしております(それ以上の時間は次のご予約の方の診察時間に影響いたします)。混雑時は同席をおことわりする場合があります。
同伴がありそれ以上の時間が必要な場合は、別枠にて保険診療外の診療となるため別途料金が発生いたします。
初診の患者さんにつきましては、30分程の診察時間としております。
③ 心理士によるカウンセリングや心理検査 をご希望の方
当院では心理カウンセリング、および発達障害の精査を含めた 知能検査・性格検査 などの心理検査は施行できません。他院へのご紹介も行っておりませんので、カウンセリングや心理検査をご希望の方は初診時より施行可能な病院を受診ください。
④ 高校生以下の方
高校生以下の方は、保護者の方や学校の先生、スクールカウンセラー・臨床心理士 など多職種間での連携が必要なことが多く、当院ではその十分な診療体制が整わないため初診予約を行っておりません。初診は 19歳以上 の方を対象としております。
⑤ 脳器質的疾患の影響による精神症状の可能性の高い方、定期的な頭部の検査 (脳波・頭部CTやMRI等) が必要な方
65歳以上の方は、認知症を含めた器質的疾患の検討のため、当院初診前の3か月以内に頭部画像検査(頭部CTあるいは頭部MRI)を施行後に受診いただくようお願いしておりますが、特にご高齢の方は薬の副作用が強く出ることが多く薬物調整が難しいため、初診時点より身体的に管理可能な病院等での診察・治療をお勧めいたします。
また、例えばてんかんの発作があり、細かな薬物調整が必要な方の場合、定期的に脳波検査を行いながらの薬剤調整ができませんので当院での対応はできません。
⑥ 法的係争 (離婚調停・裁判等)のための診断書、あるいは心理検査が必要な詳細な内容の診断書を希望される方
法的証明のためには客観的証拠となりうる詳細な検査が必要ですが、当院では心理検査が施行不能のため対応できません。通院中あるいは通院中断後後日、「弁護士に求められたので」と診断書等を希望する方がいらっしゃいますが、一般的に精神状態とその原因との因果関係を証明することは困難であり、そのような診断書は作成しておりません。調停・裁判目的の受診・カルテ開示もご遠慮ください。心理検査が必要な程度の、詳細な内容の診断書も作成しておりません。
⑦ 労災の申請をご予定の方
当院では諸手続きの処理が困難なため、労災保険はお取り扱いしておりません。ハラスメント等を含め、労働災害の申請をご予定の方は、初診時より労災保険指定医療機関を受診ください。
参考:労災保険指定医療機関等名簿(富山労働基準監督署管内)
⑧ 医師の判断や提案を受け入れられず、自身の考えに固執されたり、治療方針を無理強いしようとされたりする方
医療を受けるということは、患者さんが困っていることを自力では解決することが難しいため、専門家の力を借りて解決に向けて近づいていくということが本来の目的です。したがいまして、自分で判断できないことを専門家である医師が判断し提案を行い、それを患者さんが受け入れ、実践することで治療が成立します(これを治療契約といいます。当クリニックでの治療の枠組み・限界を含めての契約です)。そのような医師による判断や提案が受け入れられず、自身の考えに固執されたり、治療方針を無理強いされたりする場合、そもそも治療契約が成立しません。そのような場合、当院では治療ができません。ご本人自身に治療意欲がない場合も同様です。
受診し、お薬の名前など指定される方もいらっしゃいますが、当院ではこちらが必要と判断した処方しか行いません。
また、当院ではセカンドオピニオン目的の受診は行っておりません。直近に受診歴がある・あるいは現在通院中の病院やクリニックのある方は、まず担当の先生とよく相談をなさってください。
⑨ ご家族のみが主導的に診察を希望される場合
患者さん本人が、不調などの理由でお話が難しい・言葉が出づらい場合でも、ご家族の方のみの診察は原則行っておりません。事情がある場合に限り、診察時にご親族の方1名までの同席は許可しておりますが、そのような場合に本人自身からお話をされることは少なく、家族からの状況説明で診察時間を過ぎてしまう場合が多いようです。そのため原則、診察室への入室は本人のみとさせていただいております。別記のとおり、ウイルス感染症拡大のリスクを抑える意味もございます。
複数の家族でご相談を希望される場合は、複数のスタッフによる対応が可能な、大きな規模の病院を受診ください。
以上、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。